南條敏之 新作展
Toshiyuki Nanjo - New Works


会場:Space O'NewWall(スペース・オニュウォール)(韓国ソウル)
会期:2012年11月10日〜12月9日
オープニングレセプション:2012年11月10日 17:00〜
展覧会概要

写真作家・南條敏之の個展を韓国・ソウルにて開催いたします。
南條はこれまで、東京を中心とする国外はもとより、韓国でもグループ展等で幅広く展示を行ってきましたが、本展は南條の海外初個展となります。

南條の写真作品は装飾的・感傷的な要素を削ぎ落したストイックな画面を特徴としていますが、そこにはある高度な抑制された美しさ、繊細かつ思索的な美しさを認めることができます。技術に裏打ちされた撮影手法によって偶然性をもコントロールして生み出される南條の作品は、人間の視覚の特質と、写真が本来備える特徴とが巧妙に絡み合いながら、静かな問いを発し続けています。

本展では、「suns」シリーズの未発表作を中心とした十数点が展示されます。タイトルが示す通り、川などの水面に反射する太陽の光の痕跡・軌跡を長時間露光によって捉えたこのシリーズは、南條が近年継続して取り組み続けているものです。水面に反射した太陽の光は、水の動きによって様々に姿を変えていきます。あるものは線描のように渦を巻き、あるものは爆発のように拡散し、またあるものは銀河や星雲のようにぼんやりと空間に漂っているかのようです。

ここに写し出されているものが太陽光の反射であるということを知っている私たちは、南條の作品を「太陽光の写真」と呼ぶことにあまり抵抗を感じませんが、しかし、本当にそう言えるのでしょうか? 本物の太陽=光源は画面の枠の外、カメラの後ろ(つまり私たちの後ろ)のどこかにあります。実際に目に見えるのは水面の水の姿であって、太陽そのものではありません。実際のところ、太陽の光は空間全体を満たしています。「suns」という複数形のタイトルが示唆するように、本来唯一の存在であるはずの太陽の光は、実は様々に異なる容姿をまとって、様々なかたちで無限に遍在しているとも言えるのです。

南條は、光のみが抽出され、純粋な美しさを備えたこれらの写真画面を通じて、この「無限」への気付き、そしてそこから生じる驚異や畏怖、賛嘆の念を表現しようとしているのかもしれません。

HRDファインアートの企画により開催される本展の会場は、ソウルの独立系オルタナティブ・スペース、Space O'NewWall(スペース・オニュウォール)です。

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Space O'NewWall(スペース・オニュウォール)
http://onewwall.com
展示作品(一部)

"Suns" | 2012 | 50x34cm | Cプリント

"Suns" | 2012 | 50x34cm | Cプリント

"Suns" | 2012 | 50x34cm | Cプリント
展示風景

展示概観

展示概観

展示概観

展示概観

オープニングレセプション

アーティストトークの様子

ギャラリー正面から(夜間の様子)
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